世界食料デー月間〜みんなで食べる幸せを〜

世界の食料問題

10月16日は世界食料デー。国連が制定した世界の食料問題を考える日です。日本では、世界食料デーと前後する10月1日~10月31日を「世界食料デー月間」としています。
世界では、飢餓や関連する病気のため、毎日25000人が亡くなっています。飢餓の原因は、戦争、内紛、伝染病など人為的なもの、干ばつ、地震など自然災害、貧困、農業生産量の低下などで世界の食料確保の問題は、きわめて深刻な状況です。これに金融危機が拍車をかけ、飢餓人口は、今後さらに増えるとみられます。
2010年、慢性的飢餓人口は、9億2500万人。6秒に1人、子供が飢えで亡くなっています。FAO(国連食糧農業機関)事務局長ジャック・ディウフは「飢餓が世界の最も深刻なスキャンダル、最大の悲劇であることには変りはない」と述べています。
穀物が消費される先を見てみると、半分以上が直接食べられていません。例えば牛肉1キログラムを生産するためには、7~11キログラムもの穀物が餌として消費されています。また、石油に代わる環境負荷の少ないエネルギーとしてバイオ燃料生産の取り組みは、限りある穀物の奪いあいを生み出しています。さらに食料を国際市場で購入して高値で売り払う投機マネーの流入が価格を押し上げ、開発途上国が食料を買いたくても買えないという事態も招いています。
また、開発途上国の中には、主食となる穀物を海外からの輸入に頼るという構造的な問題も抱えています。自国で生産できない食品の消費が増えている事情もありますが、植民地時代に支配国から換金作物の生産を押し付けられ、限られた農地でのコーヒーや、カカオを作っているという歴史的な背景もあります。一方ではオーストラリアでの大干ばつ、アメリカを襲った巨大ハリケーン、ヨーロッパでの熱波など先進国でも対応できない、温暖化による自然災害が発生し、世界全体に穀物の生産に影響がでています。アメリカやオーストラリアなど主要な輸出国の生産量が減り、資金のある国が競って買い集めたら、開発途上国には手が届かなくなってしまう可能性があります。

輸入に頼る日本

かつてフランスのド・ゴール大統領は「食料自給率が100パーセントに満たない国は独立国とはいえない」と言いました。先進国と呼ばれる国々は自国の食は自国で賄う考えが浸透しており、ほかの産業とともに、農業にも力を入れることが当然のこととされています。
食料の60パーセント以上を海外からの輸入に頼る日本。先進国の中でも最低水準の食料自給率です。
それにも関らず、1年間に消費する9100万トンの食材のうち、1900万トンが捨てられています。そのなかにはまだ食べられるはずの食べ物が500~900万トンも含まれているといわれています。
食料だけではなく、食料を生産するために必要な土地や水などの資源も海外に頼り、輸送のための大量なエネルギーを消費することで成り立つ私たちの豊かな食生活。国境を越えて食料が売り渡されることが当たり前になるなかで、先進国に住む私たちの生活を見直さなければ解決できないのは、環境問題だけではなく、食料問題も同じです。
現在、日本の農業就業人口は260万人。平均年齢65・8歳。農家及び土地持ちの非農家耕作放棄地面積は40万ヘクタール(埼玉県の面積程)。2009年 農林水産省 農林・食料関連産業の経済計算報告書によりますと、稲作農家の家族労働報酬は1日2598円だそうです。このままいきますと、日本も主食のお米を輸入に頼る事になるでしょう。輸入で買えなくなったとしたら、みなさんどうされますか?

◇参考資料
 FAO(國際連合食糧農業機関)日本事務所 プレスリリース
 WFP(国連世界食糧計画)
 農林水産省 「2010年 世界農林業センサス結果の
   概要(暫定値)(平成22年2月1日現在)」について
 農林水産省 産業構造統計課

Fのさかな17号ズワイガニより