超肉厚、特大椎茸、のとてまり「のと115」

能登で育つ肉厚ジャンボしいたけ「のとてまり」

「のと115」とは椎茸の品種名で、名前を「のとてまり」と言います。超厚肉で大きく成長します。能登の気候風土で育つ「のと115」椎茸は、程よい甘みと引き締まった厚肉が特徴。直径が10cm以上にもなる特大椎茸を手塩にかけて育てる農家民宿を訪ねました。

のとてまり
のとてまり

特大椎茸「のと115」は奥能登地域で栽培されています。今回ご紹介する生産者は、奥能登の先端に位置する珠洲市三崎町「しいたけ小屋ひろ吉」の弘吉さん。ご夫婦で農家民宿を営んでいます。弘吉さんは、珠洲で釣りインストラクターをするほどの釣りの名人です。そのような人が何故椎茸栽培をしているのかって? それは若い頃青年団で活動資金作りに椎茸栽培を始めたことがきっかけで今に至っています。もう40年のベテラン。「この辺の家ではどこでも作っとったよ」といいます。

のとてまりを作っている奥野広吉さん
のとてまりを作っている奥野広吉さん

椎茸にも色々な品種があり、「115」の栽培を始めたのは10年前。寒暖差の大きい冬の能登の風土を活かした原木栽培を行っています。原木栽培の良いところは、歯ごたえがありうま味が豊かなところ。
冬場に保温のためのビニールがけを1個1個丁寧に被せます。この作業によって、平均で厚み3センチ、傘の直径は10センチ以上にもなります。民宿前の杉林には「のと115」のほだ木数百本が整然と並びます。

しいたけのほだ木
しいたけのほだ木は、成長を見ながら順次袋かけされる

椎茸栽培作業は10月頃から本格化

まず原木の準備。コナラなどの紅葉が3〜4分頃に根切りします。2〜3週間葉干しして水分を抜き、枝を落します。直径15センチ、長さ90センチに玉切りし、運び出します。このような作業にも里山の管理や循環の一端が自然に行わ
れているのです。昨今では、森林組合などで原木を入手することができるようになったものの、重労働のため原木栽培をやめる家が多くなったそうです。

しいたけの袋かけ作業。500円玉くらいの大きさになると、一個一個袋をかける。かたちよく肉厚に育てるために欠かせない作業。
しいたけの袋かけ作業。500円玉くらいの大きさになると、一個一個袋をかける。かたちよく肉厚に育てるために欠かせない作業。

12月頃から植菌作業開始。収穫は早くて1年目から。2年目からはたくさん収穫できるようになります。旬は2月から4月。原木の寿命は4年。毎年収穫できるように植菌し、世話を繰り返します。
近隣の専業農家では3000〜5000本管理しているそうです。シーズン中は作業体験ができますのでお問い合わせください。

昔から珠洲や輪島の気候風土が、炭と椎茸作りに適しているといわれます。しかし原木栽培は天候によって収穫量が左右されるため、湿度と風通し、日射の割合に苦心する。今年は全般的に不作だったとか。弾力ある食感と噛みしめたときの甘を楽しむため「生」がブームを呼んでいます。一個200〜300円ほど。乾燥物も肉厚で歯ごたえ充分の「高品質どんこ」として流通します。程よい香りで他の食材の味を邪魔しないところも良いところ。さてそのおいしい食べ方とは。

コックさんは奥様のふみえさん

お料理担当は、奥様のふみえさん。 シンプルに焼いたアツアツのしいたけに醤油やポン酢をたらしたもの。バター焼きに自家製ソースをかけた「椎茸ステーキ」は、「プリプリしてアワビのような食感だ」と絶賛する方もいる。定番の天婦羅や煮物、鍋物の他に、素揚げで甘酢アンにからめたもの。ゴロゴロとした角切りをカレーの中に入れたのは意外と美味しい発見。

奥様のふみえさんはのとてまりをおいしくお料理します
奥様のふみえさんはのとてまりをおいしくお料理します

そんな「のと115」の美味しさに、すっかり惚れ込んだ東京在住の方は原木オーナーになりました。「椎茸は苦手だけど、この椎茸は食べられる」とおっしゃる方も。旬の2月から4月頃にわざわざ食べに来られる方もいるほどの人気ぶりです。ファンの期待に応えるべく、弘吉さんは今日も椎茸栽培と釣りに精を出し、ふみえさんは新たなレシピ作りに励んでいます。

のとてまりのしいたけ丼
のとてまりのしいたけ丼

のとてまりを丸ごとステーキ風に焼いて、自家製ソースをかけた、しいたけのステーキ
のとてまりを丸ごとステーキ風に焼いて、自家製ソースをかけた、しいたけのステーキ
のとてまりの規格外の小粒は串焼きに
のとてまりの規格外の小粒は串焼きに

しいたけの栄養

しいたけは低カロリーで、ミネラル・食物繊維が豊富。特に生活習慣病や便秘改善など、腸内環境を正常に保つ優良な食物です。

◉便秘予防
 豊富に含まれる食物繊維により排便をうながし、腸内環境を正常に保つ働きがあります。また大腸がんなどの発がん物質の排泄も期待されます。
◉生活習慣病予防
 コレステロールの量を調整するエリタデニンを含んでいます。このエリタデニンは、キノコ類の中で特に椎茸に多く含まれます。悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす作用により、動脈硬化の予防や高血圧などの生活習慣病の予防に効果が期待できます。
◉骨を丈夫にする
 椎茸を日光にあてるとビタミンDが増え、カルシウムの吸収を高め骨を丈夫にする働きがあります。
 他にも、ビタミンB1・B2が野菜類の約2倍多く含まれ、カリウム・亜鉛・鉄などのミネラル成分もバランス良く含まれています。

奥野弘吉さん

田舎暮らし体験が思いのまま叶う農家民宿の主。椎茸栽培の他に、宿泊客に釣りの穴場を案内したり、パンフレットにない観光ガイドももってこいです。自作したピザ窯で生地から作って焼いたピザを味わう、オール「じぶんちのピザ」で楽しませてくれます。

奥野ふみえさん

ふみえさんは、地元食材を使ったレシピを開発したり、焼きアゴなど地元食材の加工にも精を出す。地元活性化の集まりにも積極的に足を運びます。野菜やハーブ作りも楽しみの一つ。

農家民宿
しいたけ小屋「ひろ吉」
〒927-1463 珠洲市三崎町雲津ト-39-1
TEL&FAX 0768-82-3178
URL http://www16.ocn.ne.jp/~hirokiti/
能登半島の先端で椎茸の原木栽培体験や、ピザ焼き、蕎麦うち体験が出来る
農家民宿を営んでいます。『田舎の親戚に泊まりに行こう』そんな軽い気持ちで
是非お越しください。おいしい椎茸と新鮮なお魚料理でお待ちしています。

しいたけ小屋ひろ吉の奥野広吉さんご夫妻
しいたけ小屋ひろ吉の奥野広吉さんご夫妻

Fのさかな21号アマエビより