花嫁のれんは「覚悟」ののれん
花嫁のれん館に行ってきました。花嫁のれんは、嫁ぐ娘の幸せを願い、幕末から明治にかけて始まった婚礼の風習です。今でも金沢や能登、富山県の一部に残っています。
●のれんの移り変わり
明治の頃は木綿に藍染めののれんも多かったのですが、次第に絹に加賀友禅ののれんへと移り変わっていきました。色にも流行があり、明治時代は青や紫など寒色系が好まれましたが、昭和に入ると赤地へと移っていきました。
絵柄にも流行が見て取れます。これは大正時代、抽象的な絵柄を大胆に配したモダンな一枚、
昭和に入ると、おしどりや花車、薬玉などおめでたい絵柄を描いたものに移り変わっていきます。
現代は、柄すっきり、モダンなものが人気のようです。
どれも美しい、現代ならさしずめタペストリー、インテリアとしても十分通用しそうです。とっても高価なインテリアですが。。
花嫁のれんは、仏壇まいりとう儀式の際、花嫁さんが(一度だけ)くぐるのれんです。仏間の入口に掛けられ、婚礼当日花嫁はのれんをくぐり、ご先祖に婚礼の報告とお参りをします。
他にも「合わせ水の儀式」という珍しい儀式もあり、婚家の水と花嫁さんの実家の水を盃に注いで一口飲みます。その盃を三和土に落として割ります。婚家の水になじみます、という意味があります。のれんをくぐると、戻れない、後戻りできない、一つひとつに意味があり、結婚する、嫁ぐということは、女性にとって覚悟を決めるということなんだと思いました。そういえば、誰かが言っていました「花嫁のれんは覚悟ののれん」だと。
花嫁のれん館
http://hanayomenorenkan.jp/
七尾市一本杉通り花嫁のれん展
http://ipponsugi.sakura.ne.jp/noren/hanayomenoren.html