アニサキスのお話
魚にはアニサキスという寄生虫がいます。
最近、テレビや新聞でもよく聞くようになったアニサキス。
Fのさかな55号(マダコ)の「海にまつわるA to Z」でも紹介しましたそのアニサキスによる食中毒(アニサキス症)が増えていると聞きます。
でもお魚好きの皆様、怖がらなくても大丈夫です。
しっかりとした知識を持てば、問題ありません。
アニサキスの生態
アニサキスはどこからくる?
アニサキスは本来クジラ類(イルカも含む)のお腹にいる寄生虫だと言われています。
そのクジラ類の糞にアニサキスの卵が混ざっていて、それを食べたオキアミというプランクトンをイカやサバ、カツオ、ホッケなどが食べることでその魚の中に寄生し、
またその魚類がクジラ類に食べられるという自然循環の中に成り立っています。
アニサキスは魚のどこに潜む?
アニサキスは魚やイカが生きているうちは内臓に寄生していますが、魚が死ぬと3〜4時間で身(筋肉)の方へ移動すると言われています。
釣り上げてすぐは問題ないないようですが、魚が死んで内臓が入ったまま何時間もたった魚を生で食べる場合は、身の方へ移動している可能性がありますので、十分ご注意ください。
釣った魚やイカなどを生でいただく場合は、すぐに内臓を取り出した方が良いかもしれませんね。
アニサキスは目に見える?
アニサキスは長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいのため、目視することができます。
Fのさかなが能登島クラシカタ企画さんとコラボするイベント『魚道(さかなどう)』で、魚介(イカ、ブリ、マダラなど)の解体を行いました。
朝揚がったばかりのマダラの内臓にはアニサキスがいて、講師の岡田氏の指導の元、一匹ずつ丁寧に骨抜きなどで取り除きました。
美味しい天然ものの魚には、当然アニサキスがいる確率は高いです。料理人の皆さんが責任を持って取り除いている苦労を身をもって体験いたしました。
ちなみにマダラは捨てるところが無いと言われる食材で、この時も内臓は鱈汁にして美味しくいただきました。
アニサキスを避けるには?
どうすればアニサキスの被害に遭わない?
前述した様に、生色の場合は釣り上げた後、筋肉に移動する前に内臓を取り出す。
また、アニサキスは以下の方法で死滅します。死滅したアニサキスは食べても害はありません。
- 加熱の場合は、60度以上で1分以上加熱
- 冷凍の場合は、マイナス20度以下で24時間以上
ちなみに貝類にはアニサキスがいないと言われます。
それは、アニサキスを含んだものを餌として摂取しないからだとも言われています。
お魚好きの皆様、過度に恐れず、巷の噂に流されず、お魚ライフを楽しんでください。