お刺身と醤油/さかなの日
季節は秋となりました。これから冬にかけて旬の魚介が食卓を賑わいさせますね。
今回は「お刺身」と「能登の醤油」についてご紹介です。
お刺身とは
新鮮な魚を生で食すのは、繊細な技術を育む日本が生んだ食文化です。
魚の鮮度を保つには、水揚げしてからいかに短時間で内臓を抜くかが勝負。手早く下処理をした魚はタンパク質が分解されてアミノ酸へと変化して熟成されます。これがうまみ成分(グルタミン酸・イノシン酸)と言われるものです。
刺身のおいしさは、噛んだときの歯ごたえと口の中に広がる香り、とろけるようなうまみ成分によるものです。おいしさには使う包丁や切り方も関係しています。プロは身の硬さや組織が粗いか細かいかなどを総合的に判断して、やわらかい赤身は厚く、かたい白身は薄くなど、魚種によって切り分けます。
おいしい刺身は、料理人たちの知恵で作られています。
刺身はいつ頃から食べられてきたのか?
刺身は「醤油」ができた室町時代から食べられていました。
醤油の役割は、味付けだけでなく魚の臭みを消してくれます。
最近では柑橘の味や香りがついたものや、旨みやとろみなどがあるさまざまな種類の醤油があり、刺身の種類によって使い分けて楽しむことも増えています。
昔は生魚が苦手だった人も相性が良い醤油に出会って食べやすくなり、刺身を楽しめるようになったと聞くこともあります。
能登の醤油はなぜ甘い?
醤油は日本人にとって馴染み深い調味料です。新鮮な魚介を食べる上で欠かせません。
そして日本各地にはいろんな種類の醤油があります。
おそらく環境や地域によって違う食文化から、食材と相性が良く好まれる醤油が生き残ってきたのかもしれません。
そして石川県の能登地域の醤油は「甘い」と言われていて、奥能登へ行くほど甘さが増すとか。なぜ能登の醤油が甘いのか、その理由は諸説ありますが主に3つの説にわけられます。
- 一つ目の説は「能登の魚文化」から。
能登では魚(特にお刺身)をよく食べます。
辛めの醤油では、魚を多く食べ進めることが難しく、甘めの醤油が好まれたのではないかと言われています。 - 二つ目の説は「漁師、海女の意見」から。
漁で海風にさらされ疲労が溜まり甘いものを欲したことや、船上で調理をする際に味付け醤油一本で完結するように、などの見解もありました。
また、輪島市では北九州の海女たちが出稼ぎで鮑漁に来ていた時代があり、そのうち定住したことで北九州特有の甘い醤油になったのではないかと言われています。 - 三つ目の説は「北前船の影響」から。
当時は東北日本海側は昆布など「旨味」系のものが主流で、南の九州側は砂糖など「甘味」系のものが主流でした。そこで「砂糖」を手に入れる為に「昆布」で取引をしていた可能性があります。手に入れた砂糖は金沢では和菓子などに使われ、能登では魚文化が根強い為、醤油などに使われたと言われています。
どの説も魚を美味しく食べる為の工夫や知恵がうかがわれます。
バックナンバー:Fのさかな54号「能登百選 四十三-能登の醤油はなぜ甘い-」より
和食のマナーとお刺身
人それぞれ、おいしい食べ方があるかと思います。
ですが和食のマナーが必要とされる場面などで、知っておくと良いお刺身の食べ方のポイントをご紹介。
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ツマは食べる?
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添え物というイメージがあるツマですが、和食のマナーではツマを食べるのは正しいとされています。
魚の生臭さを中和して、後口をさっぱりとさせてくれる効果があります。大葉にくるむと食べやすくなります。
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醤油のつけ方がある?
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醤油は端に少しつけていただくとよいでしょう。実は醤油がたれないよう手で受けるのはマナーに反するので、多めにつけたい方は小皿を持ち上げていただきましょう。
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わさびのつけ方がある?
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和食のマナーでは食器を汚さないように使うため、わさびは醤油に溶かずに刺身に少しのせて、醤油をつけていただくと小皿の醤油を濁らせずにいただけます。このとき、刺身でわさびをくるんでもよいでしょう。
個人的に、甘い醤油の方が脂ののったブリが食べやすくて好きです☺️
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