国民的巻貝「サザエ」/さかなの日
夏は暑さで体が疲れたり寝不足だったりとなかなか辛い季節ですが、そんな時に美味しくて体に良い食材が『貝』。
旨味成分や疲労回復に役立つ栄養がたくさん含まれており、昔から人々に親しまれてきました。
夏を代表する貝と言えばアワビや岩ガキもありますが、こちらは高級派。
国民的にも有名な名称をもつサザエは、価格もお手頃な庶民派の貝です。
知っているようで知らないサザエについてご紹介します。

ツノがあったりなかったり
漢字では「栄螺」と書きますが、「栄」は殻にツノがたくさん生えている様子を、「螺」は巻貝を表しています。
このツノは管状突起(かんじょうとっき)と呼ばれ、よく見るとクレープをたたんだような形をしています。
握りこぶしのような形をした殻は分厚くて硬く、ずっしりとした重さがあります。殻は6層ほどになり、大きいものでは高さ15cmくらいになります。
この殻には細い筋がたくさんついていて、縞模様になっています。
さてこの縞模様、実はサザエの外套(がいとう)膜という器官から分泌されるカルシウムが固まってできたもの。このカルシウムは毎日分泌されるため、筋の数を調べると生まれて何日たったサザエかわかります。
サザエといえば殻にたくさんのツノを持つイメージがありますが、ツノのないサザエもよくいます。
例えば、瀬戸内海のような内湾で獲られるもののほとんどにはツノがないそうです。関東では派手で見栄えのするツノあり、関西では邪魔にならず運べるツノなしが人気と言われていますが、どの地域でも見慣れた姿に馴染みがあるのでしょう。
石川県の能登半島では羽咋(はくい)郡側の外浦はツノあり、七尾市側の内浦はツノが小さく、輪島市の七ツ島(ななつじま)や紬倉島(へぐらじま)などはツノがかなりしっかりとしているそうです。
このツノあり・ツノなしの違いは何でしょうか。
昔から波が荒く潮が速い場所で育つサザエは流されないようにツノが大きく発達し、波が穏やかな場所に棲(す)むものはツノがなくなると言われてきました。だとしたら、それぞれの場所にはどちらか一方のものしか棲んでいなくてはおかしいのですが、調べてみると、どちらにもツノあり・ツノなし両方のサザエが棲んでいます。
そのため、近年の研究では棲んでいる場所の影響に加えて、遺伝によってツノあり・ツノなしが決まるのではないかと考えられています。

食感楽しむ疲労回復食材
サザエには良質なたんぱく質の他、タウリンやビタミンB1、ビタミンA、ビタミンKが含まれています。夏の疲労回復にはもってこいですね。
また、サザエといえば刺身など生で食べると足身のコリコリとした食感が楽しいものです。
貝の生食といえば、カキのような二枚貝は海水を吸い込んでエサをとるため、生で食べると体の中に溜め込んだノロウイルスなどが原因で食中毒になることがあります。
しかし、サザエはウイルスを取り込まないので、生で食べても食中毒の危険はほぼないと言われています。
ただ、サザエの内臓は傷みやすいので、新鮮ではないサザエの生食はおすすめしません。
目利きとしては、フタが青みがかっているものが新鮮な証と言われています。フタが奥に入ってしまっているものは鮮度に欠けるそうです。触覚を出して動いているサザエなら間違いはないし、殻をつついてフタを閉じる反応を見て買ってもいいのですが、店頭に並ぶ商品をむやみに触るのは他のお客様にご迷惑なので、できれば店員さんに聞いて確認しましょう。
ちなみにツノがあるものは、長いほうが味が良いといわれています。
旬の栄螺を味わう
サザエといえば、日本では代表的な食用貝類の一つ。海辺の温泉旅館や居酒屋、バーベキューや浜焼きなどで食べることはあるものの、ご自宅で料理して食べる機会はなかなかないのではないでしょうか。
ご家庭でも簡単にサザエ料理が楽しめる筒単レシピを、輪島の新鮮なお魚が食べられる「朝市さかば」さんにお聞きしました。
輪島ではご飯やお酒に合うみそ味で食べるのが主流
サザエのつぼ焼き

【材料】みそ味・しょうゆ味 各1個分
- サザエ 2個
- A:(みそ味)
- みそ 小さじ1
- 酒 小さじ1
- さとう 小さじ1 /2
- B:(しょうゆ味)
- 醤油 小さじ1
- 酒 小さじ1
- みりん 小さじ1 /2
- サザエの身を取り出して食べやすく切る。
- サザエ1個につきそれぞれ A、Bをからめて殻に戻す。
- 2を網に乗せて火にかける。沸騰して味がなじんだら完成。
美味しく食べるポイント
- 弱火でじっくり煮ると柔らかくなる。
- ハカマ部分(輪島では腰巻きと呼ぶ)は苦いので取ると食べやすくなる。
肝入りでコク旨!水を使わず煮汁で炊く
サザエ飯

【材料】
- 米 2合
- サザエ 6個(肝少々)
- A
- 醤油 小さじ6
- 酒 小さじ4
- 砂糖 少々
- 塩 少々
- 米を研ぎ、Aを混ぜ合わせておく。
- サザエの身を取り出す。身と肝を切り分け、肝はみじん切りに。
- 鍋に身、殻を入れ弱火で10分ほど煮る。
- 身だけ取り上げてぶつ切りにし、煮汁は濾して冷ましておく。
- 米、A、サザエの身と肝、煮汁(米2号分)を炊飯器に入れて炊く。
美味しく食べるポイント
- ハカマ部分を取って煮るとほろ苦さが残らず美味しく食べられる。
- 殻も一緒に煮ると磯の香りや旨味が出る。

バックナンバーFのさかな32号や56号で
サザエを詳しく載せています♪
サザエにまつわる民話や、実は食べれる癖の強いあの部分など、面白い情報を知りたい方はこちらから

