夏を彩る蟹の女王「ベニズワイガニ」/さかなの日
ズワイガニと言えば冬が旬のイメージですが、ほぼ1年中水揚げされるベニズワイガニは、通年で楽しめる食材です。
ズワイガニの漁期間外にあたる晩春から初秋は、ベニズワイガニが旅館や料亭などで、懐石料理に振る舞われています。
石川県でも5〜6月の夏のプライドフィッシュとして「いしかわの紅ズワイ」が選ばれています。

深海に棲むカニ
ズワイガニが住んでいるのは水深200〜500mの深い海底。ベニズワイガニはそれよりもさらに深い水深400m~2.7㎞の砂泥底に、群れをつくって棲んでいます。
これらはもともとは同じ種類のカニだったようですが、より深海に棲むことを選んだものがベニズワイガニという固有種になったと言われています。
ベニズワイガニが棲んでいる深海は、水温が0.5〜1度ほど。一年を通して水温はほとんど変わりません。
ベニズワイガニは成長が遅く、雄が漁獲できる大きさになるまで9年ほど、雌は成熟まで7~8年とされています。また卵を産む周期も3年と時間がかかります。これは代謝を落とすことで、冷たくて深い海底で限られた餌を食べる生活に適応したためと考えられています。
肉食性で深海の底に棲んでいる生き物を食べていますが、ベニズワイガニの生態はまだ解明されていない部分がたくさんあり、現在でも調査研究が続けられています。

殻の色が特徴
ズワイガニを漢字で書くと楚蟹。楚(すわえ)が訛って「ズワイ」となったようです。楚は木の枝や幹から細長く伸びた若い小枝のことで、ズワイガニの細長い脚が小枝を連想させたのかもしれません。
ベニズワイガニと言う呼び名は、もちろんズワイガニよりも体の色が赤いため。1948(昭和23)年に農林水産省水産試験場によってつけられました。
姿が似ているズワイガニとの見分け方は、加熱前の生の状態だと体の色が大分違うのでわかりやすいのですが、火を通すとズワイガニも赤くなってしまうのでちょっと見分けるのが難しいかもしれません。
そんな時は裏返してお腹を見ましょう。ズワイガニの腹側が白っぽいのに対して、ベニズワイガニは腹側も赤いので見分けがつきます。
よく獲られる場所ではいろいろな名前で呼ばれています。富山県ではアカガン(赤蟹)、トヤマアカガニ(富山赤蟹)、タテヤマガニ(立山蟹)。鳥取県や島根県ではベニガニ(紅蟹)。やはり色からの呼び方が多いですね。
カニはダイエット食材?
ベニズワイガニの身肉には脂質が含まれておらず、低糖質で低カロリー、高タンパクな食材です。他の甲殻類と同じようにグルタミン酸やグリシンなどのアミノ酸が多く、旨味を強く感じます。またビタミンや亜鉛、鉄や銅などのミネラルも多く含まれているので、貧血予防にもなりますね。
さらに肝機能の働きを促し、血中のコレステロールの抑制につながるとされるタウリンを豊富に含んでいますが、茹でるとタウリンが溶け出してしまうため、活ガニを蒸したり焼いたりするか、茹で汁を出汁として使わないと上手く摂取できません。
そして、ベニズワイガニをはじめカニ類はコレステロールが多いというイメージがありますが、身肉に含まれる量はイワシやサバよりも少ないくらいです。
ただカニ味噌にはコレステロールが多く、身肉やカニ味噌には決して少なくない量のプリン体が含まれているので、食べ過ぎると痛風を引き起こす可能性が高くなるとも言われています。
美味しいからと言って食べ過ぎにはくれぐれもご注意を。


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今月発刊予定のFのさかなおもしろ図鑑vol.5で
ベニズワイガニを詳しく載せています♪
幻の黄金蟹についてやベニズワイガニの歩き方など、面白い情報を知りたい方はこちらから

